三丈の木を押し立てた小国の市神
どんな伝承か
山形県西置賜郡の小国町では、正月の市開きと年の暮れに市神の祭りを行う。ここの市神は大国主命だと言われている。かつて菅江真澄がこの地を訪れたときには、高さ三丈ほどの木を押し立てたものを市神と呼んでいたと書き残している。山形県内には六十か所余りに市神が祭られ、多くは楕円形の自然石であるが、ここでは大木を立てた形であった。
原典より
西置賜郡小国町では正月の市開きと歳末とに市神の祭を行なうが、市神は大国主命だといわれ、…—— 日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。