今から七、八十年昔の話になるが大野という所に伊之助さ
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どんな伝承か
高知県土佐郡鏡村(現高知市鏡)の大野に、伊之助という川猟好きの人がいた。今から七、八十年昔、いつものように投網を提げてアメゴを取りに行ったが、網を打っても掛からない。川を上へ上へと遡り、えんこう淵まで来て網を投げると手ごたえがあった。太いアメゴが白い腹を光らせて掛かったように見えたが、たぐるうちに木のほたのようになり、火見せの男と引き寄せると、尺五寸もありそうなアメゴの歯が一本だけ網に掛かって外れない。鎌を貸せと言うと同時に網が弾かれ、大穴が開いた。えんこうの仕業だと伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考・1970年代)
松谷みよ子『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』を小話単位で全532話収録。河童・天狗・神かくしにまつわる現代の民話・怪異譚を全国から採集し、地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明530話・市区町村判明477話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。
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