田で水浴び中に現れた十も二十もの明かり
どんな伝承か
鹿児島県大島郡伊仙町上面縄の話。夏、田圃の稲が実る時期で、田の水がぬるみ昼の太陽で暑くなっていたので、友達二人で川へは行かず田圃で浴びて来ようと、ずっと上の方の田へ行き、稲がらを掻き分けながら浴びていた。上の方を見ると明かりが十も二十も次々と現れ、田のアブシ(畦)からずっと続いている。友達に「あれ見て御覧」と言うと「あれはケンムンだよ」と言うので、二人は急にこわくなり、着物も着ないで丸裸のまま一生懸命に真下りに走って帰った。家の側へ来てから上の方を見ると、明かりは消えてなくなっていたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』は、松谷みよ子が編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞書で全国から寄せられた話と、郷土誌や雑誌『旅と伝説』などからの引用を、県別に話者・回答者・出典を添えて並べ、奄美・沖縄のケンムンやブナガヤにも及ぶ。目次では河童・天狗・神かくしの三章の頭にそれぞれ「考」を置き、巻末に河童の名称、天狗・神かくし年表、あとがきを掲げる。