夜猟で聞いた峰づたいの天狗太鼓
どんな伝承か
高知県香美郡上韮生村(現香美市物部町)の仙頭覚馬の話。十四、五年前、友人の中山亀次・森本久太郎と三人で夜山猟に出た。在所村猪野々から陣笠山を経て、青崩・一ノ森・二ノ森・三ノ森(高板山)まで峰づたいに進むうち、各地で七つずつ天狗太鼓の音のようなものを聞いたという。これが長い山の生活で経験したたった一つの不思議なことであったと語っている。桂井和雄『土佐の山村の妖物と怪異』に載る。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』は、松谷みよ子が編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞書で全国から寄せられた話と、郷土誌や雑誌『旅と伝説』などからの引用を、県別に話者・回答者・出典を添えて並べ、奄美・沖縄のケンムンやブナガヤにも及ぶ。目次では河童・天狗・神かくしの三章の頭にそれぞれ「考」を置き、巻末に河童の名称、天狗・神かくし年表、あとがきを掲げる。