足の裏をくすぐる祖母と猫
どんな伝承か
昭和三年ごろ、青森市に住む語り手が小学校二年生の時、祖母が亡くなった。祖母は大変に猫をかわいがっていたが、葬式が終わって気がつくと、その猫はどこへ行ったのか見えなくなっていた。語り手は初孫で祖母にとてもかわいがられていたが、祖母が死んで間もなく、眠っていると毎晩、布団の裾をめくって祖母と猫が足の裏をくすぐるのである。襷がけの祖母も猫の姿も、はっきりと見えていた。母に話すと、おっかないからそんな話はするなと叱られた。雪が消えたころ、今の市役所の所にあった県庁の裏にある祖母の墓の上に、猫が死んでいるのが現れたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』は、松谷みよ子が編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞書で全国から寄せられた話と、郷土誌や雑誌『旅と伝説』などからの引用を、県別に話者・回答者・出典を添えて並べ、奄美・沖縄のケンムンやブナガヤにも及ぶ。目次では河童・天狗・神かくしの三章の頭にそれぞれ「考」を置き、巻末に河童の名称、天狗・神かくし年表、あとがきを掲げる。