浜辺に続く鉄瓶の蓋ほどの足跡
どんな伝承か
ある年の秋、網地島を大暴風雨が襲い、明くる日は一天拭ったように晴れた。日曜だったので島の小学校の子供たちは喜んで山へ遊びに出かけ、二人の女の子は連れ立って西海岸の長瀞へ通草を採りに行った。帰りに浜伝いを歩くと、砂の上に鉄瓶の蓋ほどもある正体の知れない足跡が一間おきに続き、あたりには鮪の頭や骨が食い散らされていた。二人は震えて家へ走り帰り、夕方に家人と村の若者たちが行って見ると子供の言う通りで、確かに山猫に違いないということであった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 10 狼・山犬、猫(松谷みよ子・現代民話考・1970年代~1980年代推定)
松谷みよ子『現代民話考 10 狼・山犬、猫』を小話単位で全541話収録。狼・山犬・猫にまつわる現代の民話・怪異譚(送り狼・化け猫など)を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明535話・市区町村判明490話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。