うどんがミミズに変わった帰り道
どんな伝承か
東京都八丈島八丈町の中之郷での話である。明治のころ、隣の村へ出かけたおじさんが家路をたどっていると、トンネルの中で妙なことになった。出口は見えているのに、歩いても歩いてもそこへ着かない。そのうち女の人に出会い、その人の家へ連れて行かれて、うどんをごちそうになって帰った。しばらくすると気分が悪くなり、食べた物をすっかり吐いてしまったが、吐いたのはミミズだった。猫に化かされたのだという。八十五歳になる老婆から聞いた話として、奥山弘子が寄せている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 10 狼・山犬、猫(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 10 狼・山犬、猫』は、松谷みよ子が日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞き書きで全国から集めた話を編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、狼への畏れと信仰、送り狼や千匹狼、化け猫や猫の踊り、戦中の猫の供出、水洗トイレを使う猫までを収める。序文と各章の前文に続いて「狼・山犬」「猫」の二章を主題別の節に分け、各話例の後に類話の採集地・話者・出典を「分布」として並べる。