橋の欄干であぐらをかいて笑う猫
どんな伝承か
四、五年前のこと、取手市小文間の橋を自転車で渡ろうとした語り手が、欄干の上に人間のようにあぐらをかいている猫を見つけた。まさかと思いながら近づいてよく見ると、確かにあぐらをかいている。驚いて顔を見ると、猫はニタリと笑ったという。慌ててその場から逃げ出したが、猫は本来笑うような顔つきにはならないはずで、化け猫だったのではないかと振り返っている。文・井上正敏、『取手市史』民俗編に収録された話。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 10 狼・山犬、猫(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 10 狼・山犬、猫』は、松谷みよ子が日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞き書きで全国から集めた話を編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、狼への畏れと信仰、送り狼や千匹狼、化け猫や猫の踊り、戦中の猫の供出、水洗トイレを使う猫までを収める。序文と各章の前文に続いて「狼・山犬」「猫」の二章を主題別の節に分け、各話例の後に類話の採集地・話者・出典を「分布」として並べる。