詫びに行く母親についてきた猫
どんな伝承か
練馬区東大泉での話。娘を叱った母親が、夜九時ごろ先生の家へ謝りに行くことにした。気がつくと猫がそばをせっせと歩いてついてくる。犬が吠えても、自動車が来ても戻らず、七分ほど離れた先生の家までついてきた。母親が頭を下げて詫びると、猫もちゃんと足元に座ってうなだれていた。普段ついてくるのはせいぜい一、二分で、娘を思う心が猫に伝わったらしいという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 10 狼・山犬、猫(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 10 狼・山犬、猫』は、松谷みよ子が日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞き書きで全国から集めた話を編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、狼への畏れと信仰、送り狼や千匹狼、化け猫や猫の踊り、戦中の猫の供出、水洗トイレを使う猫までを収める。序文と各章の前文に続いて「狼・山犬」「猫」の二章を主題別の節に分け、各話例の後に類話の採集地・話者・出典を「分布」として並べる。