糸魚川から平塚へ帰った猫ミキ
どんな伝承か
神奈川県平塚市の菅さん一家は、五十九年八月、段ボール箱に入れた猫のミキを連れて糸魚川へ旅行した。親類の家で箱から出したとたん、ミキは狂ったように飛び出して行方が分からなくなった。ところが一年七か月後、がりがりにやせたミキが平塚の家へ帰ってきた。昔の写真と模様も一致し、猫好きが定めた猫の日の二月二十二日に遠距離帰巣の日本一と認められ、昭和六十二年三月、第一回猫のカガミ賞を贈られた。テレビや週刊誌でも話題になったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 10 狼・山犬、猫(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 10 狼・山犬、猫』は、松谷みよ子が日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞き書きで全国から集めた話を編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、狼への畏れと信仰、送り狼や千匹狼、化け猫や猫の踊り、戦中の猫の供出、水洗トイレを使う猫までを収める。序文と各章の前文に続いて「狼・山犬」「猫」の二章を主題別の節に分け、各話例の後に類話の採集地・話者・出典を「分布」として並べる。