戸を閉めたとたん襲いかかったドラ猫
どんな伝承か
秦野市での話。いつも座敷に上がり込んで遊んでいるドラ猫がいたが、ある日、戸を閉めて出入口をふさいだところ、猫は猛然と襲いかかり、胸や足、背中に爪を立てて暴れまわった。幸いジーンズの上下に登山帽をかぶっていたので無事だった。猫は歯が立たないと知ると窓側で小さくなっていたが、反対側の戸を少し開けると、そこから疾風のごとく逃げ去り、二度と寄り付かなくなった。少しふざけて戸を閉めただけなのにと、猫の疑り深さに戸惑ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 10 狼・山犬、猫(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 10 狼・山犬、猫』は、松谷みよ子が日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞き書きで全国から集めた話を編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、狼への畏れと信仰、送り狼や千匹狼、化け猫や猫の踊り、戦中の猫の供出、水洗トイレを使う猫までを収める。序文と各章の前文に続いて「狼・山犬」「猫」の二章を主題別の節に分け、各話例の後に類話の採集地・話者・出典を「分布」として並べる。