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今津の酒蔵で続いた豆狸の空音

所在地兵庫県西宮市今津
年代大正一四年
登場—
出典現代民話考 11 狸・むじな

どんな伝承か

大正十四年の暮れ近く、今津町本町のある酒蔵での話。夜中に不寝番をしていると、階下で人が起きたような気配がし、井戸端に伏せてあった半切りを起こすようなゴロンという音がした。下りてみても誰もおらず、半切りも伏せたままだった。翌春の一月七日の晩には、雨音に続いて雨垂れの音まで聞こえるので、広場の米俵を取りこもうと蔵人をたたき起こして飛び出すと、空は一面の星だった。さらに数日後、荒神様の下あたりから高下駄を引きずって戸口へ歩き、戸を開け閉めする音まで聞こえたが、駆けつけても誰もいなかったという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 11 狸・むじな(松谷みよ子・現代民話考・1995年(平成7年))

『現代民話考 11 狸・むじな』は、松谷みよ子が一九九五年(平成七年)に編んだ現代民話の資料集である。明治から現代までに各地で語られた狸・むじなの話を、聞き書き、読者の回答、郷土誌や民話集、新聞記事から集める。狸火、腹つづみ、音まね、いたずら、化かし、たたり、人助け、戦争にいった狸、今の暮しなど十二の部に分け、話例ごとに本文と類話の「分布」を添え、巻頭に序文と前文、巻末にあとがきを置く。

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