甲山で出会った牛の顔の女
どんな伝承か
兵庫県西宮市の甲山に植物採集に出かけた中学校の教師が、赤い着物を着て、口から血をしたたらせた牛の頭の女を見たという。怪談実話集『新耳袋』第一夜の「“くだん”に関する四つの話」のうち第九十四話「牛の顔をした女」に語られる話で、阪神地方に伝わる牛女の怪談の一つである。甲山は兜の形をした西宮の象徴として親しまれる山で、この牛女の怪談が生まれた土地とも噂されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妖怪伝説奇聞(東雅夫・2005年(平成17年))
『妖怪伝説奇聞』は、東雅夫が二〇〇五年に学習研究社から刊行した妖怪伝承地の探訪記である。稲生物怪録の木槌、クダン、牛鬼、塵輪、ナメラスジ、八幡の藪知らず、鬼の骨、蛇骨、鍋島の怪猫、児啼爺などを追い、中国・四国・九州ほか各地の寺社や旧家を訪ねて遺物と伝承を確かめる。月刊誌「ムー」の連載「日本伝説紀行」の十二章を三つのカラーグラビアで区切り、巻末に草双紙『鍋島猫騒動』の復刻を添える。