名を呼んで戸を叩くムジナ
どんな伝承か
板橋区、旧川越街道の中宿にある補陀落山万福寺の近くに茂兵衛という人が住んでいた。ある晩、夜ふけに「モヘイさん、モヘイさん」と呼んで戸をたたく声がするが、開けても誰もいない。次の晩も続くので腹を立てた茂兵衛が戸口で待ち構え、声がしたとたん戸を開けると、尾を立てたムジナが驚いて万福寺の竹藪へ逃げ込んだ。ムジナは人語を使うが、息切れしたように言葉を切って話すのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 11 狸・むじな(松谷みよ子・現代民話考・1970年代~1980年代)
松谷みよ子『現代民話考 11 狸・むじな』を小話単位で全376話収録。狸・むじなにまつわる現代の民話・怪異譚(化かし・化け)を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明372話・市区町村判明317話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。