機関車に化けた古狸と隧道の怪
どんな伝承か
陸羽東線は新庄から向町まで大正六年に、向町から宮城県へは一年遅れて開通した。小国郷を東西に貫く工事は瀬見や笹森あたりの山を掘り抜くのが難しく、多くの人命が失われ、トンネルには夜ごと死者の泣き声が響くと言われた。開通間もない頃、富沢(今の赤倉駅)から堺田へ上る途中のトンネル付近で、夕暮れに線路を歩く人影や立ち尽くす人が見え、汽車が急ブレーキをかけると影が消えることが重なった。ある日、来るはずのない機関車が向かってきて衝突したが衝撃がなく、堺田で調べさせると線路に大きな古狸が死んでいたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 11 狸・むじな(松谷みよ子・現代民話考・1970年代~1980年代)
松谷みよ子『現代民話考 11 狸・むじな』を小話単位で全376話収録。狸・むじなにまつわる現代の民話・怪異譚(化かし・化け)を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明372話・市区町村判明317話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。