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墨染の衣を掛けられた山桜

所在地山形県最上郡最上町瀬見
年代伝承(口承)
登場常陸坊、義経、義経の奥方、奥方の夫
出典日本伝説大系 第3巻

どんな伝承か

瀬見の湯で産後の養生をしていた義経の奥方が、盛りと咲きほこる山桜を見ようと、常陸坊の背に負われてブドウ山と牧峰の中ほどの山に出た。あまりの見事さに時のたつのを忘れ、夕方になって帰ろうとしたとき、常陸坊は墨染の衣を脱いでかたわらの枝に掛け、奥方を背負って山を下りた。そのためこの桜を「墨染めの桜」といい、満開の花の中にただ一つ墨のついたような黒い花が咲き、それを見つけた者は幸福になるといった。その桜は今は残っていない。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説大系 第3巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))

『日本伝説大系 第3巻』は、山形・福島・新潟の三県に伝わる伝説を集めた叢書『日本伝説大系』の一巻である。湖水の干拓、鮭の大助、八百比丘尼、弥三郎婆、安達ヶ原の鬼婆、産女、雪女房、河童などの話のほか、松・杉・石・池・清水・温泉・長者にまつわる伝説を、口承資料を主に採っている。全体は「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」に分かれ、各項目は例話と伝承地を掲げ、〔類話〕〔文献〕〔参考〕で近世以後の史料や県外の類例を補う。

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