ホラ貝が掘り当てた安産の清水
どんな伝承か
弁慶の腰かけ石は、義経一行がこの地で休んだときのものだという。北の方が産をされたとき、近くに水がなかったので、弁慶がホラ貝で土をすくうと、そのくぼみに清水が湧いたと伝わる。そこには子安観音が祀られ、村人は参詣の折にその辺りで子安貝という巻貝を拾い、産のときにその貝で水を汲んで使えば安産まちがいなしと信じられている。かたわらの石碑には「義経北の方御産の跡、文治三年旧四月八日」と刻まれている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第3巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第3巻』は、山形・福島・新潟の三県に伝わる伝説を集めた叢書『日本伝説大系』の一巻である。湖水の干拓、鮭の大助、八百比丘尼、弥三郎婆、安達ヶ原の鬼婆、産女、雪女房、河童などの話のほか、松・杉・石・池・清水・温泉・長者にまつわる伝説を、口承資料を主に採っている。全体は「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」に分かれ、各項目は例話と伝承地を掲げ、〔類話〕〔文献〕〔参考〕で近世以後の史料や県外の類例を補う。