円盤着陸跡でおりなかったシャッター
どんな伝承か
京都の大原に空飛ぶ円盤が下りたという話があり、テレビ局の人とその旅館へ出かけた。宿のおばさんは「うちの屋根の上を火の玉が転がる」などと熱心に話す。円盤の話を聞きに来たと言うと、下りたという空き地へ連れて行ってくれた。行ってみると着陸脚が当たったような窪みが三か所あり、虫を捕まえて入れると死んでしまう。話者がペンタックスのカメラでその穴を写そうとしたところ、どうしてもシャッターが落ちない。壊れたと思って修理に出すと、三日ほどして何ともないと言われた。そのときだけ写らなかったのである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考(立風書房)第十二巻・1996年(平成8年))
『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』は、松谷みよ子が一九九六年にまとめた現代民話の資料集で、同シリーズの第十二巻にあたる。雑誌での呼びかけやアンケート、聞き書きで寄せられた話と新聞・雑誌の記事を、心霊写真をめぐる怪異と、明治以降の電信・汽車・電気燈などの新しい文物や流行病に戸惑う人々の話に分けて収める。話例ごとに本文を掲げて各地の類話を分布として並べ、話者や回答者の名と出典を添える。