大正元年に町へ来た電話
どんな伝承か
大正初期、彦根の町に初めて電話が来たのは回答者の父が小学校五年生の時、すなわち大正元年のことであった。加入には四、五戸の希望者が必要で、町の有力者が奔走してようやく開通した。回答者の家に電話がついたのは大正五年で、当時は市内通話に回数制限がなく基礎料金のみで何度でもかけられ、遠距離通話は長電話のある家に行って順番を待つか、手紙や電報を使い分けていたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考(立風書房)第十二巻・1996年(平成8年))
『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』は、松谷みよ子が一九九六年にまとめた現代民話の資料集で、同シリーズの第十二巻にあたる。雑誌での呼びかけやアンケート、聞き書きで寄せられた話と新聞・雑誌の記事を、心霊写真をめぐる怪異と、明治以降の電信・汽車・電気燈などの新しい文物や流行病に戸惑う人々の話に分けて収める。話例ごとに本文を掲げて各地の類話を分布として並べ、話者や回答者の名と出典を添える。