文化祭の写真に写った多数の手
どんな伝承か
神奈川県相模原市のある学校での話。そこは昔、陸軍の通信学校があった土地で、何かと因縁めいた話が多い。校舎はA・B・Cの三棟あり、C棟にはお化けが出るとか、トイレで女の泣き声がするとか、以前からよく噂されていた。五、六年前の文化祭のとき、早川先生のクラスの生徒が持ち込みを禁じられているカメラを持ってきて、C棟で皆の写真を撮った。あとで見てみると、写真一面にべたべたと手がいくつも写っていたという。話は早川先生の同僚から伝わったものである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考(立風書房)第十二巻・1996年(平成8年))
『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』は、松谷みよ子が一九九六年にまとめた現代民話の資料集で、同シリーズの第十二巻にあたる。雑誌での呼びかけやアンケート、聞き書きで寄せられた話と新聞・雑誌の記事を、心霊写真をめぐる怪異と、明治以降の電信・汽車・電気燈などの新しい文物や流行病に戸惑う人々の話に分けて収める。話例ごとに本文を掲げて各地の類話を分布として並べ、話者や回答者の名と出典を添える。