加古川中学の卒業写真にかかる両手
どんな伝承か
加古川中学の卒業記念写真に、写るはずのない両手が写り込み、お盆を迎えた加古川市民の話題をさらった。三月に撮影した写真屋は「こんな手などなかった」と身を震わせて語る。両手に肩を貸されているA君(十六)は撮影時には全く気づかなかったという。前年六月、A君の同級生B子さん(当時十五歳)が自殺しており、この両手は一緒に卒業したかったB子さんのものだと噂され、市民は夜がふけるのも忘れて写真の謎解きに熱中したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考(立風書房)第十二巻・1996年(平成8年))
『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』は、松谷みよ子が一九九六年にまとめた現代民話の資料集で、同シリーズの第十二巻にあたる。雑誌での呼びかけやアンケート、聞き書きで寄せられた話と新聞・雑誌の記事を、心霊写真をめぐる怪異と、明治以降の電信・汽車・電気燈などの新しい文物や流行病に戸惑う人々の話に分けて収める。話例ごとに本文を掲げて各地の類話を分布として並べ、話者や回答者の名と出典を添える。