終戦前夜に濁流が米兵に変わる夢
どんな伝承か
昭和二十年八月十四日の夜、当時伏見桃山の女学校に通っていた私は夢を見た。校庭の横の崖の上は竹藪になっており、夢の中で生徒たちは竹槍を持って並んでいた。すると竹藪から洪水のように濁流が流れ込み、生徒たちは蜘蛛の子を散らすように逃げ惑う。次の瞬間、濁流は大勢のアメリカ兵に変わっていた。そして翌日、日本は終戦を迎えた。それまでアメリカ兵の姿など見たこともなかったのに、夢の中の姿は終戦後に実際に見た姿とそっくり同じだったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。