師の和上が夢で告げた養子の死
どんな伝承か
報告者の朝方の夢に師の和上が現れ、自分には子が三人いるので互いに助け合ってほしいと告げた。和上の子とは亡くなった息子と自坊を継いだ養子で、もう一人は誰かと考えるうち、和上に我が子のように可愛がられた自分のことだと気づいた。三日ほどして養子が倒れて病院へ運ばれたが、三日後には退院した。ところが三月の終わりごろ、大勢の僧が集まる葬式の夢を見た。いつもは皆の前に座る和上が、一番後ろで茶色の普段の衣を着てしょんぼりしていた。四月二十五日、養子が行方不明との電話を受け、四日後に遺体で見つかった。報告者は和上の知らせに気づけなかったことを悔やんだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。