こたつの隅にいた風邪の神の暇乞い
どんな伝承か
長崎県佐世保市の話。大正末頃、話者の祖母の実家では家族七人が風邪をひき、二度ずつ引いてなかなか治らなかった。ある夜、祖母の夢に白い髭を生やした年寄りの姿の風邪の神が現れ、「長い間お世話になりました。あした帰りますから、風邪は治りますよ」と告げた。祖母がどこにいたのかと尋ねると、「寒いからこたつの足のすみにいました」と答えた。朝、祖母がこの夢を家族に話すと、知らない間に家族みんなが元気になったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。