大病を救った日蓮上人の夢
どんな伝承か
昭和二十四年、四十二歳のときに大病をして一時は危篤といわれた語り手が、寺へ行った夢を見てから不思議に快方へ向かった。目を開ける瞬間に日蓮上人の姿を見せられ、大勢の人が枕の下から紙切れを抜いていく夢も見た。ふと目覚めたとき、上人が部屋から出ていったという。十三歳から一心に拝んできた語り手は、助かったら弥勒山の土を踏んで願はずしをすると床の中で願をかけた。やがて夢のなかで弥勒山へ行き、札をもらう夢を見た。十七年後、自分の足で弥勒山へ登ると、夢で見た場所と同じで、寺も渡り廊下も同じだったので驚いたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。