観音様の紙と八時を告げる声
どんな伝承か
ある少女の話。夢の中に観音様が、地面の中から昇ってくるようにまぶしく現れた。気づくと少女は手に紙を握っている。観音様は「その紙の内容を知りたいでしょう。でもあなたは最近行いが悪いから今日は見せられない。行いが良くなれば見られる、御利益のある紙なのだ」と言う。手を広げて見ようとしても開かない。目が覚めて「今何時だろう」と独りごとを言うと、観音様の声で「八時だよ」と答え、時計もボーンと八時を打った。家族には信じてもらえなかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。