起こしてくれと夢で頼んだ倒れた墓
どんな伝承か
栄村堺の秋山郷での話。大秋山という集落はすでに閉村しており、語り手はそこを自分の草刈り場にしていた。あるとき夢を見た。人形が彫ってある墓が二つひっくり返っていて、「おれを、ひっくり返っているのを起こしてくれ」と言う。そこで焼畑をつくろうと草を刈って焼き、そのあと探しに行った。すると夢に見た墓が、鍬で土を動かしたところにちょうどぴたりと伏せて重なっており、背中が見えるだけでそれと分からなかった。掘り起こして、ちゃんと見えるように立て直してやったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。