バイゴマの老人と入れかわった夢
どんな伝承か
大正八年頃、妹の近所でバイゴマを作る老人と独楽を回すうち眠くなり、夢を見た。久米田寺に参ると隣の老婆が、亡き妻の供養にお堂を右へ七度回れと教える。その通りにすると、堺から住吉大社の太鼓橋を渡り、四天王寺の西門で亡妻に再会した。妻はその老婆をバイゴマの老人の連れ合いだと明かす。二人で天王寺の亀の池の茶店にいたが、妻に悪態をつかれ腹を立てて飛び出し、道頓堀を抜けたところで急に真っ暗になり目が覚めた。老人も同じ夜、同じ夢を見ており、互いの不幸が入れかわったのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。