白蛇の夢と息子の採用内定
どんな伝承か
春に大学を出た息子が小さな会社に入ったものの、うまくいかず十月で辞め、職探しを始めた。翌年の新卒と競う時期に重なり、親は気が気でなかった。十一月初めの朝、妻が、白い蛇が体の中へ入ってくる夢を見たので何か良いことがあるのではないか、と言い出す。その日の午後、息子が新聞広告を見て応募していた大きな会社から採用内定の知らせが届いた。思いのほか早く決まって親は喜んだ。妻はその後ジャンボ宝くじを二十枚買い込み、白蛇の夢を見たのだから当たるはずだと、大晦日の抽選を待っている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。