移転してもついて回る総寧寺の夜啼石
どんな伝承か
通幻寂霊を開山とする寺に、下総国府台の総寧寺がある。この寺は天正三年に北条氏によって近江の番場から下総の関宿へ移され、さらに九十年ほど後の寛文三年に今の場所へ移ってきたものだが、それでも夜啼石の因縁がついて回っているという。通幻の生い立ちにまつわる子育て幽霊の話の広がりを示す例として挙げられている。
原典より
但、この寺、天正三年近江の番場から下總の関宿へ北條家が移し、それから又九十年後の寛文三年に、今の處へ引移して来たのだが、夜啼石の因縁は附廻つてゐる。—— 福井縣鄕土誌 民間傳承篇(中塩清之助(編)・福井縣鄕土誌・1939年(昭和14年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
福井縣鄕土誌 民間傳承篇(中塩清之助(編)・福井縣鄕土誌・1939年(昭和14年))
『福井縣鄕土誌 民間傳承篇』は、福井市立実科高等女学校の郷土誌第二輯として教諭中塩清之助が編み、昭和十四年二月付の学校長金岡正孝の序を巻頭に置く。丹生郡の名、哭女、越前萬歳、仏の舞、幸若舞、猫塚、隠れ里、子育て幽霊、愛発の関、弁慶譚、八百比丘尼、水の神女譚を、古文献や他地方の類例と照らして論じる。生徒が集めた県下の昔話は類話をA・Bなどに分けて並べて解説を付し、校正者大村四朗の跋を添える。