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稲津橋の宿屋と石の枕

所在地福井県福井市(稲津橋)
年代昔(露見は明治二年頃)
登場宿屋の主人・子守・目明し
出典福井縣鄕土誌 民間傳承篇

どんな伝承か

石の枕の昔話の解説に引かれた、鯖江女子師範の伝説集に載る話である。足羽郡酒生村の稲津橋のたもとに、昔、宿屋があり、東郷を経て大野方面へ向かう旅人が多く泊まった。この宿では夜になると客に固い石の枕をさせ、天井に吊した大石を落として殺し、金品を奪っていた。宿の子守がそれを知り、「ここから東郷へ行く人は石の枕をしなさんな」と子守唄のふしで歌った。それを聞きつけた目明しが旅人に化けて泊まり、枕を外して寝ると、夜中に大石が落ちてきた。こうして罪が露見し、主人は捕らえられて稲津橋で首をさらされた。明治二年ごろ宿の跡を掘ると、骸骨が六、七十も出たという。

原典より

宿屋では、夜になると、固い石の枕をさせて寝かせ、天井に大きな石を吊しておいて、それを落して人を殺め大事なものを盗んだ。—— 福井縣鄕土誌 民間傳承篇(中塩清之助(編)・福井縣鄕土誌・1939年(昭和14年)) より引用
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出典の文献について

福井縣鄕土誌 民間傳承篇(中塩清之助(編)・福井縣鄕土誌・1939年(昭和14年))

『福井縣鄕土誌 民間傳承篇』は、福井市立実科高等女学校の郷土誌第二輯として教諭中塩清之助が編み、昭和十四年二月付の学校長金岡正孝の序を巻頭に置く。丹生郡の名、哭女、越前萬歳、仏の舞、幸若舞、猫塚、隠れ里、子育て幽霊、愛発の関、弁慶譚、八百比丘尼、水の神女譚を、古文献や他地方の類例と照らして論じる。生徒が集めた県下の昔話は類話をA・Bなどに分けて並べて解説を付し、校正者大村四朗の跋を添える。

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