倒れた千年マキが大数珠に生まれ変わる
どんな伝承か
一九九二年の話。静岡県袋井市にある油山寺は、法多山・可睡斎と並ぶ遠州三山のひとつで、奈良時代の創建といわれ、昔境内から油が湧出したので名付けられたという。巨木が茂り、深山幽谷に分け入るような森の中に、時代の異なる建物が散在している。一九九〇年一〇月、台風接近による大雨で本堂付近が大崩落し、県指定天然記念物の「千年マキ」が倒れて枯死してしまった。油山寺の鈴木住職は、世界一の数珠を作ればマキを後世に残すことができ、何よりの供養になると考え、玉一〇九六個、長さ一一〇メートルの大数珠作りに取り組んでいるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・昭和〜平成)