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とんち小僧の割れ硯と天狗の一筆

所在地静岡県袋井市芝(浄瑠璃寺)
年代享保年間
登場とんち小僧
出典日本の妖怪伝説

どんな伝承か

浄瑠璃寺に飛来した多聞天狗が宮造りを頼み、住職が来訪の証しの一筆を願うと、天狗は快く承知した。住職が小僧に硯を持てと命じると、利発な小僧は筆、紙、墨とは持ってくるのに硯だけを出さない。問い詰められて差し出した住職自慢の硯は真っ二つに割れ、飯粒で継いであった。小僧は「ふみかいた」と言葉遊びでとぼけ、住職は先に謝らずともよいと言ってしまったことを嘆く。天狗は大笑いして「衆生来望」の四字を書き与え、自分にも法の道が望めるかと問う小僧に、天狗になるがよいと言い残して飛び去った。その筆蹟は今も寺に残るという。

原典より

それもそのはず、住職が日ごろ大切にしていたすずりは真っ二つに割れて、割れ目を飯粒でくっつけてある。—— 日本の妖怪伝説(小笠好恵・1966年(昭和41年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本の妖怪伝説(小笠好恵・1966年(昭和41年))

『日本の妖怪伝説』は、小笠好恵が各地に伝わる奇談・怪談を読み物にまとめた伝説集で、序は昭和四十一年五月付である。浅茅が原の一つ家、四谷怪談、九尾の狐、安達が原の黒塚、道成寺、鍋島の化け猫など、岩手から熊本までの四十五話を、伝えられた形をなるべく崩さずに書き直し、おおむね東から西へ並べる。雨月物語や小泉八雲など書物に拠る話のほか近年の体験談も混じり、一部の話の末にはゆかりの寺社へ行く「順路」を付ける。

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