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枯れた御神木のタモに立つ夜の虹

所在地青森県北津軽郡鶴田町
年代昭和三三年頃
登場藤田健次、回答者
出典現代民話考 9 (木霊・蛇)

どんな伝承か

語り手の生まれた村は津軽平野のまん中にある。集落の中央あたりにこんもりとした神社があり、林のまん中に、村の年寄りたちが御神木と呼ぶ「タモの木」が一段と高くそびえていた。樹齢は約五百年、根元の周囲約七メートル、高さ約三三メートルの老大木である。昭和三三年頃、県道の舗装工事で根を相当切られたせいか、木は春になっても芽を吹かなくなった。やがて枯れた木のてっぺんに、夜、虹が出るという噂が広まった。暗い夜に赤や緑や紫が一瞬あらわれては消えるといい、年寄りたちは木の霊魂がまだ残っているのだと言い合った。倒された日、老木の頂には名も知らぬ草花がいっぱい咲いていた。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)

『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。

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