ぜんまい採りの岩陰に潜んでいた大蛇
どんな伝承か
春、桃谷のガンギというところへぜんまい採りに行った。岩と岩とが重なり、その間が暗くなっているような気味の悪い場所だった。その岩のそばの草むらで何かが動いたので見ると、うろこが一センチほどもある大蛇だった。長さは一メートルくらいだが、幅は四〇センチほどもあった。恐ろしくて、何も採らずに逃げ帰ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。