稲越谷で二度見た黄色いノヅチ
どんな伝承か
吉城郡河合村の角川に住む堂前登さんは、二〇年ほど前にノヅチを二度も見たという。ノヅチは直径四寸、長さ二尺ほどの生きもので、背中はやや尖っている。全体が黄色で鱗があり、ところどころに斑点があった。体は片方が細くなっており、尾のほうがそこで切り落としたようになっていたという。見かけたのは同じ村の稲越谷である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。