屋敷取壊しで出た白蛇と白金竜昇宮
どんな伝承か
戦後二四年のことである。郵便局ができるというので田島さんの屋敷を壊したところ、真っ白な蛇が出た。太さは一寸五分より太いほど、長さは三尺ぐらいあった。それを中野の駅のそばの蛇屋にあずけておいたが、納める前にその蛇屋で死んでしまった。語り手は蛇様「白金竜昇宮」の庭を造ったという。蛇を祀ってから二十何年か、道の向こう側の空き地に舞台を掛けて、二日にわたる盛大な祭りをした。塔の山町会でも気を入れてやったそうである。何か御利益があるというので参りに来る人も多く、一時は大いに栄えたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。