耳の病を治す小谷のキンカ様
どんな伝承か
キンカ様は、早川や岩船などでテングサ採りで耳を傷めた人に効くとされる塞の神で、小谷には二体ある。一体は氏神の境内に、もう一体は村から一キロほど離れた山中の弥三郎沢にある。山奥のほうを姉、境内のほうを妹と呼び、姉はその場を離れたくないと言っていまも弥三郎沢にとどまっているという。かつては年の数だけの蝉の抜け殻を縫い糸でつなぎ、素焼きの皿に盛って供え、神楽や正月には赤飯を上げた。男根の形をした自然石で、耳の悪い人が裸で踊れば治ると伝えられる。
原典より
キンカサマは、早川や岩船などでは、テングサ採りなどで耳を悪くした人に効き目があるとされる塞の神(道祖神)であるが、小谷には二体ある。—— 村上市史 民俗編 下巻(村上市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
村上市史 民俗編 下巻(村上市史)
『村上市史 民俗編 下巻』は、新潟県村上市の市史の民俗編から、口承の節(伝説・世間ばなし・謎とことわざ)を抜き出したものである。地名・神社・寺や仏・地蔵・水・人・動植物・塞の神・杖の跡に分けた伝説と、狐や河童、火の玉、山の神などの世間ばなしを、土地の言葉の語りのまま採集地を添えて収める。義経が跳び越えた一跳山、三面川の小助島、岩船の大火など、村上市内の土地に結びついた話が中心である。