雪崩をそらした秋山のなだれ神
どんな伝承か
昔、秋山には村を守る観音さまがいて、近くの集落の人々はみなこの神を大切にしていた。ところがいつしか小赤沢の人たちは粗末に扱うようになり、屋敷の人たちだけがますます敬って、いつもお参りを欠かさなかった。ある夜、大雪崩が起きて木々をなぎ倒し、谷を埋めながら両集落へ押し寄せた。不思議なことに、雪崩は屋敷のすぐ上で止まると右へ曲がり、小赤沢の方へ流れていった。逃げながらこれは村の神のおかげだと気づいた人々は手を合わせ、助かった後は小赤沢の人も屋敷の人も、このなだれ神をあつく敬うようになったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
長野県史 民俗編 第4巻 3 (北信地方 ことばと伝承)(長野県史)
『長野県史 民俗編 第4巻(三)北信地方 ことばと伝承』は、長野県史の民俗編のうち北信地方の伝説の章を抜き出したものである。植物・石・水・塚・坂と峠・山・沢と道・城と屋敷・田と原・地蔵や観音・社寺・地名・禁忌の順に、条ごとに採集地を添えて短い伝えを並べる。戸隠の鬼女紅葉、黒姫と大沼池の大蛇、久米路橋の人柱、秋山郷の平家伝説など、善光寺平から奥信濃にかけての土地に結びついた話が多い。