孝行息子に膳を貸した千古の滝
どんな伝承か
昔、病の母と孝行息子が貧しく暮らしていた。信心深い若者は水神に母の快癒を祈ったが病は重くなるばかりで、せめて一度だけ母に甘いものを食べさせたいと願った。すると夢に水神が現れ、千古の滝のそばでお膳をくださいと三度唱えれば出してやる、食べたら必ず返せと告げた。そのとおりにするとご馳走の膳が現れ、母と食べて返すうち、母は快方に向かい暮らしも楽になった。これを嗅ぎつけた隣の怠け者がまねをして膳を出させ、家宝にしようと蔵にしまって返さなかったため、水神は怒り、以後誰が唱えても膳は出なくなったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
長野県史 民俗編 第1巻 3 (東信地方 ことばと伝承)(長野県史)
『長野県史 民俗編 第1巻(三)東信地方 ことばと伝承』は、長野県史の民俗編のうち東信地方の伝説と世間話を抜き出したものである。植物・石・水・塚・坂と峠・山・城と屋敷・田と原・地蔵や観音・社寺・地名・禁忌などの伝えを、条ごとに採集地を添えて収める。双子池や白駒の池の主、望月の駒、甲賀三郎、ごまを作らない村々の禁忌、京の岩・宮下・菱野村の七不思議など、佐久・小県の土地の伝えが並ぶ。