生駒姫に恋した月毛の駒と天狗岩
どんな伝承か
望月の牧(今の御牧原)を治めた望月氏に生駒姫が生まれた日、牧でも美しい月毛の駒が生まれた。駒はやがて姫に恋し、姫が十三で天皇に召されると聞くと病み衰えた。占いで駒の恋が分かり、姫も月毛と暮らしたいと願った。殿は、四つの鐘から九つの鐘までに御牧七郷を三周すれば娘を与えると難題を出した。駒は半時で二周を終え、慌てた殿は偽の九つを打たせた。鹿曲川の北岸でその鐘を聞いた駒は天狗岩に登り、いなないて崖下へ身を投げた。姫は尼となって妙禎法尼と名乗った。天狗岩の中腹の洞穴には今も馬頭観音がまつられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
長野県史 民俗編 第1巻 3 (東信地方 ことばと伝承)(長野県史)
『長野県史 民俗編 第1巻(三)東信地方 ことばと伝承』は、長野県史の民俗編のうち東信地方の伝説と世間話を抜き出したものである。植物・石・水・塚・坂と峠・山・城と屋敷・田と原・地蔵や観音・社寺・地名・禁忌などの伝えを、条ごとに採集地を添えて収める。双子池や白駒の池の主、望月の駒、甲賀三郎、ごまを作らない村々の禁忌、京の岩・宮下・菱野村の七不思議など、佐久・小県の土地の伝えが並ぶ。