悪人を渡さぬ三途の川の橋
どんな伝承か
恐山の三途の川には、藩政時代まで丸木を並べただけの小さな橋が架かっていた。昔は罪の重い者が渡ろうとすると、橋が糸のように細く見え、近くに重なる鬼石は本物の鬼となってにらみつけ、岸のナラの木は二十尋もの竜に変わって迫ってくるように見えたので、参詣できずにここから引き返すのが常だったと伝えられる。橋はいつしか丸木を横に並べた太鼓橋に改められ、今は厚板の太鼓橋になっているが、悪人が渡ろうとすると足をすべらせて川へ落ちそうになり、渡りきれないと言われている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
むつ市史 民俗編(むつ市史)
『むつ市史 民俗編』の口承の章から、下北に伝わる伝説と世間話を抜き出したものである。苫生野や田名部川の口碑、蠣崎氏や落人の宝の伝え、恐山の開基と天狗・霊話、常念寺の仏、横迎町の竜神と河童、行人塚、半太窪、飯綱の噂、奥内・関根・大湊・田名部の狐の話などを収める。菅江真澄の紀行の記事を引きながら、むつ市とその周りの土地の伝えをまとめている。