魚を提げた夜道につく狐と狐火
どんな伝承か
昔まだ鉄道もなかったころ、奥内から田名部へ買い物に来て帰りが夜になり、魚などを提げていると、決まってと言っていいほど一里小屋の辺りから狐が後をつけ、グェン、グェンと鳴きながら村の近くまでついてきた。狐火は真っ暗な中に青みがかった火がぽっ、ぽっと燃えるもので、必ず人の前方に燃えるという。金谷沢の辺りは昔は狐の巣で、魚を持って歩いてくると、まず道ばたでがさがさと音がし、次に青白い火がぽっ、ぽっと燃えたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
むつ市史 民俗編(むつ市史)
『むつ市史 民俗編』の口承の章から、下北に伝わる伝説と世間話を抜き出したものである。苫生野や田名部川の口碑、蠣崎氏や落人の宝の伝え、恐山の開基と天狗・霊話、常念寺の仏、横迎町の竜神と河童、行人塚、半太窪、飯綱の噂、奥内・関根・大湊・田名部の狐の話などを収める。菅江真澄の紀行の記事を引きながら、むつ市とその周りの土地の伝えをまとめている。