航空廠跡に飛ぶ赤い狐火
どんな伝承か
大湊のある店の番頭が、急な用で夜になってから店を出た。国立病院のところの坂を下り、もとの航空廠跡の辺りにさしかかると、あたりがにわかに闇に包まれ、赤い火がいくつも飛び交った。狐火である。狐火とは光を放たない赤い火の玉のことで、それが出ると辺りは真っ暗になり何も見えなくなるという。番頭は狐に惑わされるのを恐れ、その晩は用を済ませずに引き返した。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
むつ市史 民俗編(むつ市史)
『むつ市史 民俗編』の口承の章から、下北に伝わる伝説と世間話を抜き出したものである。苫生野や田名部川の口碑、蠣崎氏や落人の宝の伝え、恐山の開基と天狗・霊話、常念寺の仏、横迎町の竜神と河童、行人塚、半太窪、飯綱の噂、奥内・関根・大湊・田名部の狐の話などを収める。菅江真澄の紀行の記事を引きながら、むつ市とその周りの土地の伝えをまとめている。