代掻きを手伝った比田井の地蔵
どんな伝承か
ある雨の日、比田井の百姓が田の代掻きをしていたが、その日に限って鼻取りがうまくいかず、尻取り役には小言を言われ叱られて、ほとほと困っていた。すると、どこから来たとも知れない見知らぬ男が現れ、鼻取りのこつを親切に教えてくれた。おかげで代掻きは無事に終わった。しばらくして近所の人が地蔵様へ参ると、地蔵様が田の方へ歩いていった足跡がはっきり残っていた。それからこの田は地蔵田と呼ばれ、人々は前にも増して地蔵様を敬うようになったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
望月町誌 第2巻 (民俗編)(望月町誌)
『望月町誌 第2巻(民俗編)』の伝説の節を抜き出したものである。旧望月町(いまの佐久市)の集落ごとに、植物・石・清水と池・岩穴と塚・城と屋敷・田と原・地蔵や観音・稲荷・動物・巨人・化け物・禁忌・カッパ・地名の伝えを並べる。望月の駒と生駒姫、梅円坊の化け物退治、彦狭島王の王塚、長者原の長者、ゴマを作らない村々の言い伝えなどが見える。