家人になつき肩をたたく狐
どんな伝承か
切久保の南村に西という家があり、その裏手では狐がたびたび子を産み、たくさん棲みついていた。暖かい日には表の庭まで出てきて日なたぼっこをしていたという。ふだんはたいした悪さもしないが、時には近所の鶏を捕って食べたり、留守宅の台所に入り込んで荒らしたりした。西の家の人々にはよくなついて、夜になると囲炉裏にあたりに来たり、年寄りの肩をたたいてくれたりしたとも伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
八坂村誌 民俗編・民俗編資料
『八坂村誌 民俗編・民俗編資料』の口頭伝承の節から、伝説と昔話を抜き出したものである。長野県大町市八坂(旧北安曇郡八坂村)の大姥山と鷹狩山の山姥・金時の伝え、池の主と大蛇、城跡と長者屋敷、狐・狸・むじな・山犬・天狗・河童の話、社寺の由来、雨乞いの伝えなどを、集落ごとの聞き書きで収める。犀川の谷あいの山村に残る、山と獣と水にまつわる話が中心である。