慈覚大師が見つけた二色根の石の薬師
どんな伝承か
慈覚大師が赤湯を訪れたのは天安二年(八五八)のことだったと伝わる。大師が東北へ来たと聞いた宮城の塩釜神社から使者が遣わされ、大師は赤湯の丘の上で宴を開いて迎えた。その時に使者が烏帽子を置いた所が、烏帽子石として今に残るという。その後、大師が近くの山の中を歩いていると、老杉の奥から澄んだ鈴の音が響き、根元で何かが光っていた。手に取ってみると石で造られた薬師如来の像だったので、大師はその場にお堂を建ててまつった。これが二色根の薬師如来だという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
南陽市史 民俗編
『南陽市史 民俗編』の伝説の節を抜き出したものである。山形県南陽市の白竜湖の由来と東正寺の僧の話、金沢の三坂(七両坂・泣坂・薄雲坂)、猫の宮の猫、二色根薬師、赤湯温泉の起こり、吉野の大黒岩と千人塚、珍蔵寺の鶴、三堀観音などを収める。置賜盆地の湖と温泉と山の寺にまつわる伝えが中心である。