日蓮の箸が根付いた楊枝柳
どんな伝承か
妙典寺の子安池のそばには、日蓮が植えたとされる柳がある。古い地誌によると、安産の加持で地を掘るのに使った楊枝を日蓮が池の脇に挿したまま去り、それが芽吹いて大木に育ったという。元の木は枯れて幹が池の上に倒れ伏したが、そこからまた若芽が伸びたと記される。地誌の編者は寺僧の語るとおりに書き留めつつ、信じがたい話だと付け加えている。地元の言い伝えでは、旅の途中の日蓮が池の縁で休み、柳の小枝を折って箸にして食事をし、その箸を地面に挿して去ったものが根付いて大木になり、のちに枯れても根から再び芽を出したとされる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
和光市史 民俗編
『和光市史 民俗編』の伝説と昔話の章から、伝説の節を抜き出したものである。埼玉県和光市の下新倉・新倉・白子に伝わる、妙典寺の子安池と楊枝柳、孝行息子の汲む水が酒になった強清水、白子地福寺の枕返し地蔵、吹上観音の火中出現と観命尼の焼身、新羅三郎義光の笛の伝説などを、異伝と出典を添えて収める。市史の編者がそれぞれの伝説の成り立ちを論じる文章が多い。