無実の男を逃がした稲荷の狐
どんな伝承か
昔、行幸田に稲荷を篤く信仰する善人がいたが、身に覚えのない盗みの罪で捕らえられ牢に入れられた。すると大きな狐が現れ、明かり取りの小さな格子窓を何度も楽々とくぐり抜けてみせた。不思議に思った男が狐をまねて頭から窓をくぐると、するりと外へ抜け出せた。その日は雪が積もっていたが、狐は尾で足跡を掃き消しながら男を宗窪稲荷まで導いて逃がしてくれたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
渋川市誌 第4巻 (民俗編)
『渋川市誌 第4巻(民俗編)』の伝説と昔話の冒頭を抜き出したものである。群馬県渋川市の飛び湯と午年の貝水、千が窪の蛇、弘法様の清水、渋川八名石・有馬五石などの石の伝え、祖母島のあずきとぎ、五居が島、二位寺山、歯黒稲荷などを、伝承の大字を添えて収める。利根川と吾妻川の合う町の、石と水と塚にまつわる伝えが中心である。