大六坊が背負ってきた三山
どんな伝承か
船引にあった滝山という山を見た大六坊という男が、これを菅谷へ持って来ようと思い立ち、背負い縄で担いで運んだ。どさりと下ろして縄を引き抜くと、その穴から水が流れ出し、穴は次第に広がって今も水が止まらない。これが入水鍾乳洞を流れる水だという。あまりに重いので荷の上に乗ってみた足跡は消えず、今ドリーネと呼ぶくぼみになった。縄で締めた跡で山は三つに分かれ、形のよい三山ができた。山の一方を持っていかれた船引の滝山は、片曽根山と呼び名が変わったという。入水寺の大門を越えたあたりには大六という名が残っている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
滝根町史 第3巻 (民俗編)
『滝根町史 第3巻(民俗編)』の口承文芸の節から伝説を抜き出したものである。福島県田村市滝根町(菅谷・神俣・広瀬)の大滝根山の田村麿と大滝丸、入水寺の観音、小野小町の伝え、鶴ヶ池物語、人柱茂左衛門、曽富登神社、六句の坊、片手観音、三本足の鳥、姥捨山などを収める。古い村誌の文語の引用と聞き書きの口語が混じる。